【95位】 『V.』 トマス・ピンチョン 1963年刊行


ヴィクトリア。ヴェロニカ。ヴェラ。……世界史の闇に? 遍在し? 暗躍する? 謎の女? V.。彼女は実在するのか? 聖なのか魔なのか? 謎に憑かれた男ステンシルとダメ男プロフェインの軌跡が交わるとき――。奇っ怪にして爆笑のエピソードを満載した天才の衝撃的デビュー作、20世紀文学の新古典が、30年の時を経てついに新訳!

【トマス・ピンチョン】現代世界文学の最高峰に君臨し続ける謎の天才作家。寡作な上に素顔も経歴も非公表だが研究者により以下が判明している。1937年5月8日、ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。ピンチョン家はアメリカ最古の家柄のひとつで父は測量技師。16歳で名門コーネル大学に入学、応用物理学を専攻するも英文科に転じ、2年間の海軍生活ののち最優等で卒業。2年ほどのボーイング社勤務後は作品以外の消息を完全に絶つ。1963年、『V.』でデビュー、フォークナー賞を受賞する。第2作『競売ナンバー49の叫び』(1966)でローゼンタール基金賞受賞。第3作『重力の虹』(1973)でアメリカ最大の文学賞である全米図書賞を受賞するが、本人が授賞式に現れず物議を醸す。以後、1984年に初期短篇集『スロー・ラーナー』を刊行した以外は実質17年間沈黙する。その沈黙を突如破り、1990年『ヴァインランド』発表。1997年には『メイスン&ディクスン』を刊行、2006年『逆光』(Against the Day)、2009年『LAヴァイス』(Inherent Vice)と、一作ごとに世界的注目を浴びる。ノーベル文学賞候補の常連だが、受賞しても式に現れないのではと囁かれている。(新潮社)