【44位】 『変身』 フランツ・カフカ 1916年刊行


ある朝目ざめると青年ザムザは自分が1匹のばかでかい毒虫に変っていることに気づいた。以下、虫けらに変身したザムザの生活過程がきわめて即物的に描かれる。カフカ(1883‐1924)は異様な設定をもつこの物語で、自己疎外に苦しむ現代の人間の孤独な姿を形象化したといえよう。20世紀の実存主義文学の先がけとなった作品である。

【カフカ,フランツ】 1883年プラハにユダヤ人の息子として生まれる。カフカとはチェコ語で「カラス」の意。生涯を一役人として暮らしたこの非凡な作家は、一部発表された短編をのぞき、すべての作品を未発表のまま捨て去るように友人に言い残した。1924年、名声というものにはまったく縁のないまま死亡。その迷宮的作品世界はいまなお謎を投げかけている。(Amazon)